2018年02月03日

チェンバリストと調律師の響き合い  〜節分のフレスコバルディ〜

我が小さな音楽サロンで、こんなにチェンバロの終音が響いたことがあるだろうか?
自分の耳を確かめながら聴いていた。
八島優さん イタリア在住20年。ミラノから約2年ぶり一時帰国コンサート@ノワ・アコルデ音楽アートサロンであった。
 プログラム 第1部
  バロック以前、イタリアルネッサンスの音楽の様相の変遷を演奏者自ら解説。
  @アンドレア・ガブリエーリ(1533〜1585) 52歳で没 
     イントナツィオーネ 英語にすれば、イントネーション 発音 まあ出だしの調弦か、教会でオルガニストが即興で試し弾きしていた歴史があるとのこと。
  Aジョヴァンニ・ピッキ(1571?〜1643)
     トッカータ 
  Bジョヴァンニ・マリア・トラバーチ(1575〜1647)
 カンツォーナ・フランツェスカ・セッティマ (クロマーティカ)
  フランス歌曲第7番 半音階
  Cベルナルド・ストラーチェ (1637〜1707)  ヨハン・セバスチャン・バッハが1750年没を持ってバロック音楽終焉に先立つこと43年前に没。
    パッサカリア 
    バレット 
 C番目のストラーチェは、ジローラモ・フレスコバルディ(1583〜1643)より54年後に生まれ、63年後に没。半世紀の違いがある。ストラーチェの音楽的位置は、ローマ・ナポリ派 『チェンバロとオルガンのための種々の作品集』唯一現存する作品集、ダンスや変奏曲などが収められている。
フレスコバルディは、フェッラーラで音楽教育を受け、ローマバチカンでオルガニストの地位を守り続け、トッカータ集 作品を編纂した。いわゆる「バロック音楽」が大バッハ没をもって約150年と区分されますが、多様な性質と様式の変遷の中で、彼はそのトッカータ集の中で、作品を演奏する際に、演奏家は、アフェット(情念や魂の機微・彩)が如何に重視されねばならないかを、序文において明文化したという解説も含めて拝聴。
 第2部は、イタリア製クッキーやチョコレートセットとドリンクが振る舞われ、別室控え室で八島さん学生時代からのお仲間がサービス。お客様もコートなしで歓談、くつろがれている光景に、こちらもリラックス。後半始まる前に次ぎなる催しのご案内。
 第2部は、照明をチェンバロ鍵盤、譜面と八島さんだけにスポットライト。そして曲名を書いたスケッチブックを譜面台において、二つ目のライトのみ。つまり、聴く側は否応なくその2点に集中。
いよいよ全曲フレスコバルディ

   トッカータ第7番 (トッカータ集 第1巻より)
   フレスコバルダのアリア 
    「オル ケ ノイ リメーア」の主題によるカプリッチョ (カプリッチョ集)
    100のパルティータによるパッサカリア
     ガリアルダ 第1番 (トッカータ集 第2巻)
    カンツォ−ナ 第1番 (トッカータ集第2巻)
     ロマネスカの主題によるパルティータ 
  
    イタリアバロック音楽の変遷と隣国の影響も受けた作品しかし、普段聴かない大変珍しい
  作品を集めたチェンバロリサイタルと言ってよいだろう。

 そこで、さて、いよいよ今日のサロンオーナーが聴いた見た本題。
  「なんと終音の響きが長いのだろう!? もちろんペダルがあるわけではないがまるでピアノのように残響があるではないか?」今日は、我が耳を疑い、何度も体験して確認した。残響3秒〜ヒョッとしてそれ以上!
  タイルが床タイルであるために、演奏家、特にチェンバロの方から、「ヨーロッパの石の響きと同じ」と好評いただいて面映いものでもあるが、あるがままなのである。
  八島さんは、10時30分頃からリハーサル。調律師さんのSさんも時間外からスタンバイ。
  筆者は、事務所や作業で動いていたので、調律師さんとの打ち合わせなど判らない。
   今日のとれとれの感想を感謝を込めて、調律師のSさんにまた、お訊ねしたくてたまらず電話した。
 「残響が凄く長くて、ピアノ見たいで、びっくりでした。音律は、なにをえらばれましたか?」「八島さんのリクエストに御応えしてさせて頂きましたが、リハーサル中に、半音階も入れておられ、また色々な和音を使われているので、音が濁らないように調律しました。」「それはどういう風にですか?」「本来の音律にプラスアレンジしました。」「へえ、プラスSさんアレンジですね(笑)」「笑 ハイ。そうですね(^_^)V」
「もちろん八島さんは、サロンでリハーサルをするなり、『ここは、ミラノで弾いてるのと同じ響きなので、有り難いんです〜』なんて言ってくださるので、有り難いですし、やりがいがあるのだな〜とほっとする瞬間です」「でも、弾き方の工夫で随分異なりますね」「そうですよね」
「判りました!今日はチェンバリストのリハーサルを黙して側で聴いている調律師が、色々な和音の彩りをすぐに察知して、言葉での打ち合わせはもちろんですが、単なる音律法注文選択だけでなく、繊細な耳から受け取る和音に濁りを取っていく、つまり、音のパレットに透明な彩りを作り出す二人の響きの成果だったのですね」
「そういっていただけて、とても嬉しいです。こんな調律ができて、幸せでした!何より八島さんのチェンバロ、ようく鳴ってました!」
  なんという素晴らしい調和の響きだろうか!フレスコバルディ様!いかがでしたか?
  そして裏方として、チケット受付、照明・録音のプロの友人、お茶の接待など沢山のお仲間が二年前と同じメンバーでされていたことも、素晴らしい!
  サロンオーナーとしても幸せな1日でした。 お元気でお洒落なご両親にも会えましたしね。(笑)
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2017年10月15日

 仲良し3人が選んだ楽譜3つ 蔵我楽蔵書 「きっと演奏します!その時はお知らせします!」 

10月14日(土) ストラスブールで学んだ舩津美雪さん(オーボエ)と染田真実子さん(チェンバロ)
前半はややレクチャーぽいものでしたが、 c-dur  c−mor が如何に感情や曲想を支配しているかが
改めて実感できました。後半はヘンデル オーボエソナタ  HWV 366
 フランソワ・ドゥヴィエンヌのクラリネットソナタ
 これはストラスブールで出会った女性音楽家の編曲になるものをオーボエで演奏。
 舩津さんと対称的な染田さんは寡黙なのがまた笑をとって空気は上昇。
彼女はチェンバロの現代曲も勉強して、今回もいわゆるミニマル音楽を披露しました。
  休憩の後、3人で、蔵我楽とは、くらがらくシリーズの趣旨をお話し、これまた困難もありましたが、
「ほっと墨彩オランダ・ベルギーこころ旅」を買っていただけました。買ってくださった方に招待券をおまけにつけたのですが。
其の方が行けないとのことでしたが、どなたかいらっしゃいませんかと訊いたところ、有効にギタリストSさんが行かれることに。そして、初めてこられたギター好きの方がこのサロンを借りて弾き合い会をしたいと声をかけてくださって、パンフレットをお渡ししました。すぐ側にいるギタリストのSさんを紹介して、お互いにお名刺交換されていました。こういう人と人がコンサートの後で、だんだんと打ち解けて自由にお話が弾んでつながっていただくのを見ているの、結構すきなのですね。私って。サロンだからできることではないでしょうか?

みなさんが帰られてからは、同じストラスブール仲間で、チューバでバロック演奏を続ける服部祐介君と3人が、くらがらくの蔵書印が付いた楽譜(バロック)を前に目が輝いていました。
 服部君は、ファン・エイクのリコーダーソロ 天国の笛 全集の VOL.2 を「チューバで吹きます」と言ってくれるではありませんか? 舩津さんは、ドゥヴィエンヌのソナタとブランデンブルグの編曲譜(リコーダー又はヴァイオリンと通奏低音) 染田さんは、カステッロのソプラノリコーダー又はヴァイオリンと通奏低音の二つのソナタを選んで、「平井さん、きっと演奏します!演奏するときは、お知らせします!」
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posted by きりん at 23:10| Comment(0) | サロンコンサート&公開レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月26日

寺神戸亮さん×チョー・ソンヨンさん 11回目のコンサートと胡桃庵古楽道場 公開レッスン

 二度 三度 書いています。三年ぶりに来ていただいた寺神戸さんとチョーさん、ありがとうございました。
ちょうど寺神戸さんが、小さなスペースを捜しておられたのが、2007年夏、私が札幌のPMF音楽祭へ参加していたときでした。スイス留学から帰国して下り立ったYさんが、サロンを手伝いたいと訪ねて、一緒に古楽道場をしようと始めたばかりのときでした。「あのプティット・バンドのコンサートマスターの寺神戸さん?」サロンをする前に、世界の古楽界の双璧が「いずみホールに来てで聴いていました。日本人が入っているとは知ってはいたけれど、日本人でコンマスに抜擢されてることが、有田さんより次の世代が活躍してるのだなと思っていました。クイケンファミリーの録音は、有田正広さんやグスタフ・レオンハルトや、ブリュッへン、フォン・ハウエと重なって大抵の CD、LPがありましたので、「 御請けしますって、 Uさんに御伝えしてね!」「平井さん、本当にいいんですか?」「ええ、いいわよ!直感。いずみで聴いてサインももらってるから。ヴァイオリン素晴らしいし、人柄大体わかるし!」「了解です!平井さんありがとう!凄い人を呼んでくださって・・・・・」
それから、ちょうどヴィオロンチェロ・ダ・スパッラというバッハ時代のごく短い間に演奏されていた肩にかけて演奏する楽器の復元もので無伴奏チェロソナタ全曲をされました。各地で広めたいという時と重なって、スパッラでまたあるときはヴァイオリンと持ち替えての企画となりました。
 2017年までのコンサート記録(別表)を参照ください。
 ノワ・アコルデのノワはフランス語でクルミという女性名詞。 それで胡桃庵古楽道場という公開レッスンを寺神戸さんのコンサートには、ほぼ毎回していただいたのですが、チェンバロの故芝崎久美子さんの次に来られて首都圏の古楽演奏家の方たちに、当人の予想以上に広がったようです。もちろん、古楽専門誌、音楽情報誌無料掲載をさがし、音楽大学、置いてくださりそうな近隣レストラン、カフェ、音楽家の方々へお願いして足を動かし廻り増した。手紙、FAX、電話だけでなく以前からパソコンはしていましたから、名簿つくりして、インターネット時代のツールがどんどん増えました。小さなサロンでも1000名以上の名簿になりましたが、転勤、実家へ帰られる方、メール・アドレスは変わるのが当たり前ですから、年賀状、9年間は暑中ハガキも送っていましたので、郵便料金だけでもはねあがります。忍耐だけでは、ダメで「まあ、いいか!外食しないように、服は買わないように。ブランドもの、好きじゃない私もの。」のスタンスで。
 豊中市の後援を取り付けたものの、当該部所のカウンターでは、市民にふれることもなく、そのころは、ホールや図書館、公民館へ、古楽なんてなんのこと?といわれそうな確立の低さでしたが、それでも自分で運転して館長さん、職員の方にご挨拶して名刺を渡して、名前だけでなく趣旨を理解してもらうことに重点を置きました。 まだチケットをとることは営利目的事業と見なされていたわが町行政の感覚でした。

 『後日談として挿入しますが。
 しかし2016年秋あたらしい市立文化芸術センター開館記念式典杮落し公演の前位から、随分変わってきました。首長がクラシック音楽が大好きということも影響があると思いますが、丁度サロンが開設した年に広くし明に音楽文化芸術を享受するための条例が発布されていたことが分かり、その記念式典に文化庁長官が自ら来場、長官賞が大阪府下の市町村で初めて我が町に贈呈されたのでした。10年の実りです。』
 
もちろん、関西、豊中、大阪、神戸、京都、奈良の方にひろがり、古楽の方、音楽通の方が九州、東北、札幌からも来てくださいました。今も古楽人口はモダンよりすくないですが、10年の間に、小さなサロンの数が大阪市内府下で随分ふえましたし、古楽の活動されている方がお仕事をもちながら、年に何回も演奏会をされるというケースが顕著です。
 その例として、ヴァイオリンのレッスンを受講された方の通奏低音でついてこられた、Yさんが「新幹線に乗っていっても受講できるような雰囲気ではなかったのに、寺神戸さんがノワ・アコルデに来られたから、私はチェンバロを再会しようって決心したんです。神様のような方が、一緒に弾いてくださるなんて、うれしっくって涙でてきました。それから、アンサンブルを立ち上げて、仲間と演奏会前の曲を見てもらえるんですから。有り難いです!」
  小さな音楽サロンの定義はできない、しても今は流動的なので意味がないということを音楽ライターの渡辺和さんが共著「コンサートをつくる。つづける。〜地域主催者はかく語りき〜」で書いておられましたが、それぞれ人生の半ばで、思い立ってつくられたことでしょう。
私もその一人です。何年かするうちに、大学ではできないこと、隙間を埋めたり、マッチングをして喜びを分かち合えたらいいな〜と感じたことの一つがこの胡桃庵古楽道場です。

  寺神戸さんの言葉 2017年9月18日のコンサートを終えて書いてくださいました。

皆様、ご来場ありがとうございました。そして主宰、サロンの女主人平井悦子さん、いつも楽しい交わりの会を催してくださりありがとうございます。いつも「うちはコンサートホールではない」とご謙遜なさいますがサロンというのは人の交流の場です。集った人達の間で知的な会話が交わされたり、また笑いに包まれたり。お馴染みの顔、初めての顔色々でしたが楽しいひと時をありがとうございました!

 
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posted by きりん at 11:51| Comment(0) | サロンコンサート&公開レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする